特定技能のN4要件について、現場から思うこと
特定技能制度における日本語能力の要件は、多くの職種でJLPT N4となっています。しかし、18年間にわたり留学生や外国人就労者と関わってきた経験から言わせていただくと、N4レベルは正直なところ「会話ができる」と言えるレベルではありません。
N4は基礎的な文法や日常的な語彙を理解できる段階であり、決まったフレーズのやり取りはできても、突発的な質問への対応や、文脈を読んだ柔軟なコミュニケーションはまだ難しいのが実情です。
特に接客業のように、お客様との自然な会話や臨機応変な対応が求められる現場では、最低でもN3レベルの日本語力が必要だと感じています。N3になると、日常会話の幅がぐっと広がり、多少込み入った内容のやり取りにも対応できるようになります。
ただし、ここで強調したいのは「本人の努力だけでは限界がある」ということです。受け入れ企業や現場担当者が、日本語学習の機会をどれだけ用意できるか、日々のコミュニケーションの中でどれだけ丁寧にフォローできるかによって、成長のスピードは大きく変わります。実際、受け入れ側のサポート体制が整っている職場では、比較的短期間でN4からN3レベルまで伸びるケースを何度も見てきました。
逆に言えば、日本語学習のサポートを本人任せにしてしまうと、なかなかN3レベルには到達できません。
特定技能人材の受け入れを検討している企業の皆様には、単に「N4を満たしているから大丈夫」ではなく、その後のフォローアップ体制も含めて準備していただきたいと思います。
外国人材の受け入れは、制度上の要件をクリアすることがゴールではなく、そこからどう育成し、共に働いていけるかが本当の課題です。今後もこの視点から、現場の実情を発信していきたいと思います。


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