高齢者にお部屋を貸すことへの不安

シニアの住まいサポート

― 大家・管理会社が抱える本音 ―

高齢者の方がお部屋を探すとき、
よく聞く言葉があります。

「年齢だけで断られた」
「高齢という理由で審査が通らなかった」

確かに、入居希望者の立場からすると
とても寂しく、理不尽に感じるかもしれません。

しかし、現場にいる大家さんや管理会社の立場から見ると、
そこには簡単には口にできない本音があります。

それは、

「もし何かあったらどうしよう」

という不安です。

これは決して、
高齢者の方を差別しているわけではありません。

むしろ多くの大家さんは、
「できれば貸してあげたい」
「困っているなら助けたい」

そう思っている方も少なくありません。

しかし現実の賃貸経営では、
善意だけでは判断できない問題がいくつも存在します。


一番心配されるのは「孤独死」

大家さんや管理会社が最も心配することは、
やはり室内での孤独死です。

もちろん、
孤独死は高齢者だけに起きるものではありません。

若い人でも起きています。

しかし現実として、
高齢者の方の入居となると
どうしてもこのリスクを考えてしまうのです。

もし室内で亡くなられた場合、

・発見まで時間がかかる
・室内の原状回復が大きくなる
・次の入居募集が難しくなる

といった問題が発生します。

そしてその多くを
大家や管理会社が対応することになるのが現実です。


家賃よりも「連絡が取れない」ことが怖い

意外かもしれませんが、
大家さんが一番心配するのは
家賃滞納ではありません。

それよりも不安なのは、

「連絡が取れなくなること」

です。

電話に出ない
訪問しても応答がない
郵便物が溜まっている

こうした状況になると
管理会社はとても神経を使います。

安否確認をするべきか、
警察を呼ぶべきか、
家族に連絡をするべきか。

この判断は決して簡単ではありません。


身寄りがないケースも多い

もう一つの現実があります。

それは、
緊急連絡先や保証人の問題です。

高齢者の方の中には、

・身寄りがいない
・家族が遠方に住んでいる
・保証人を頼める人がいない

というケースも少なくありません。

そうなると、
何かトラブルが起きたときに
誰に連絡すればいいのか分からないのです。

結果として、

管理会社がすべてを背負う形になる

という状況も多くあります。


それでも「貸したくない」わけではない

ここで誤解してほしくないのは、

大家さんや管理会社は
高齢者に貸したくないわけではない

ということです。

問題は

「準備が整っていない状態での入居」

なのです。

例えば、

・見守り体制がある
・緊急連絡先が明確
・保証会社や保険が整っている
・定期的な安否確認ができる

こうした仕組みがあれば、
貸すことへの不安は大きく減ります。


高齢者賃貸の問題は「仕組み」で解決できる

これから日本は、
高齢者がさらに増えていく社会になります。

その中で、

「年齢だけで断られる」

という状況が続くことは、
社会としても決して望ましいことではありません。

だからこそ必要なのは、

大家さんの善意に頼ることではなく、
安心して貸せる仕組みを整えることです。

それが整えば、
高齢者の方も安心して住める。
大家さんも安心して貸せる。

そんな環境を作ることが、
これからの賃貸住宅には求められているのではないでしょうか。

私が思うには、不動産会社の95%以上が加盟している、保証協会2団体が良い案を出す役割ではないかと思うのです。

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