2008年、私は賃貸業の経験が全くないまま、免許を取得して起業しました。
事業資金として金融機関から1,500万円を借り入れ、新宿区で事務所を借り、業務をスタートしました。
高田馬場に事務所を構えた理由は、当時、外国人向けに情報を提供し、東京都から認定を受けていたNPO法人があったからです。そのNPO法人のサポートを受けながら、外国人のことも賃貸業のことも何もわからない私が一歩を踏み出すことができました。
しかし、残念ながら理事長が亡くなり、法人は解散してしまいました。
未経験の私は、最初の3か月間は無収入でした。その間、都内の300社以上の不動産会社を訪問し、現場の実情を学ぼうと営業活動を続けました。
周りから見れば、まるで変わり者に映ったかもしれません。でも、そんな私に声をかけてくれたのが、ある不動産会社の二代目の方でした。「まずは留学生向けの寮を運営してみてはどうですか?」という彼の言葉が、私の新たな挑戦のきっかけになりました。
そのアドバイスを受け、私は大学や日本語学校、専門学校など100校以上を回り、営業活動を開始しました。当時は、どこの受付でも「不動産会社が来た!」と驚かれたものです。
当時は外国人へのお部屋の提供は皆無でしたから。
昨日まで物件を探しに不動産会社を幾たびも訪ねていた学校側に、逆に物件を提供する立場で現れたわけですから、驚くのも当然です(笑)。
当時の留学生の割合は、韓国人が70%、中国人が15%、その他の国が15%でした。
そんな中で、あの二代目の方から「とても良い物件があるので、寮にしてみませんか?」と連絡がありました。
なぜか、私は即答で「やります」と答えました。外国人と深く関わった経験もなく、寮の運営も未経験だったのに、即答です。今考えると不思議ですが、その時は迷いませんでした。
改装後の部屋↓
駅から5分のビルの4・5・6階(200㎡)をすべて借りて、さらに借金を重ねて寮に改装しました。そのビルには会社も移転し、私は寮の管理運営を同時に行うことになりました。そこからの日々は驚きの連続で、多くの楽しさもありました。
寮の運営中に起こった出来事については、次回お話しします。
コメント