相続人に認知症の人がいたら、手続きはどうなる?
成年後見人の役割と、不動産相続で知っておきたい8つのこと
親が亡くなり、実家や預貯金などを相続することになったとき、相続人の中に認知症の方がいたら、どのように手続きを進めればよいのでしょうか。
例えば、父親が亡くなり、母親と子ども2人が相続人になったものの、母親が認知症である場合です。
子どもたちだけで実家の売却を決めてもよいのでしょうか。
実は、認知症の方が相続人にいる場合、その方の判断能力によっては、通常の遺産分割協議を進められないことがあります。
今回は、相続人に認知症の方がいる場合の手続きと、成年後見人の役割について、8つの項目に分けて解説します。

第1話|相続人に認知症の人がいたら、手続きはどうなる?
相続が発生すると、相続人全員で遺産の分け方を決めることがあります。これを「遺産分割協議」といいます。
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相続人に認知症の方がいても、相続する権利は変わりません。
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認知症という診断だけで、すべての相続手続きができなくなるわけではありません。
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大切なのは、本人が遺産分割の内容を理解し、自分の意思で判断できるかどうかです。
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判断能力が不足している場合には、成年後見制度などの利用を検討する必要があります。
ポイント:認知症であることと、法律上の判断能力がないことは、必ずしも同じではありません。
第2話|認知症の相続人は法律行為ができない?
遺産分割協議や不動産の売却は、法律上の意思表示を伴う重要な手続きです。
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財産の内容や分け方を理解できるかが重要です。
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判断能力がない状態で行った法律行為は、無効となる場合があります。
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本人の意思を確認できないまま、家族が代わりに署名・押印することはできません。
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判断能力の程度によっては、成年後見・保佐・補助などの制度を利用できます。
例えば、本人が内容を理解できない状態なのに、家族が勝手に遺産分割協議書を作成してしまうことは問題になります。
ポイント:家族だからといって、本人の代わりに自由に契約できるわけではありません。
第3話|遺産分割協議には相続人全員の合意が必要
遺言書による指定などがない場合、遺産の分け方を話し合う遺産分割協議には、原則として相続人全員の参加と合意が必要です。
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相続人が3人なら、原則として3人全員の合意が必要です。
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一部の相続人だけで遺産の分け方を決めることはできません。
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認知症の相続人を協議から除外することもできません。
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本人に必要な判断能力がない場合には、適切な法的支援が必要です。
例えば、父親が亡くなり、母親と長男、長女の3人が相続人になった場合です。
母親が認知症だからといって、長男と長女だけで実家を売却することは、原則としてできません。
ただし、遺産分割協議をせず法定相続分による相続登記を行う場合など、手続きによって条件は異なります。
ポイント:相続人の一人を外して遺産分割協議を進めることはできません。
第4話|成年後見人を家庭裁判所に申し立てる
本人が遺産分割の内容を理解して判断することが難しい場合、成年後見制度の利用が考えられます。
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本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。
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医師の診断書や本人の財産に関する資料などを準備します。
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家庭裁判所が本人の状態や事情を確認します。
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家庭裁判所が適切な成年後見人を選任します。
成年後見人には、親族が選ばれることもありますが、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職が選ばれる場合もあります。
なお、家族が希望した人が必ず成年後見人になるとは限りません。
ポイント:成年後見人を選ぶのは家庭裁判所です。
第5話|成年後見人の主な役割とは?
成年後見人は、判断能力が不十分な本人に代わり、財産や権利を守る重要な役割を担います。
主な仕事には次のようなものがあります。
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預貯金や不動産などの財産管理
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必要な契約や法律手続き
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遺産分割協議への参加
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本人の生活や医療・介護に関する契約上の支援
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本人の利益を守るための財産管理
ここで特に注意したいのが、不動産の売却です。
本人の居住用不動産を売却する場合には、原則として家庭裁判所の許可が必要になります。
また、成年後見人自身も相続人である場合には、利益相反の問題が生じ、特別代理人の選任などが必要になることがあります。
ポイント:成年後見人は、家族の都合ではなく、本人の利益を優先する立場です。
第6話|成年後見制度には時間と費用がかかる
成年後見制度を利用すれば、すぐに相続手続きが終わるというわけではありません。
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申立てのための書類を準備する必要があります。
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選任まで数か月程度かかる場合があります。
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申立手数料や診断書などの費用が発生します。
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専門職が後見人になった場合、報酬が発生することがあります。
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原則として、遺産分割が終わっただけでは成年後見制度は終了しません。
ここは、相続人の方にぜひ知っていただきたい部分です。
例えば、相続した実家を売却するために成年後見人を選任した場合でも、売却が終われば自動的に後見制度が終了するわけではありません。
通常、本人の判断能力が回復するか、本人が亡くなるまで制度が継続します。
ポイント:成年後見制度は、相続手続きだけの一時的な制度ではありません。
第7話|早めの準備と専門家への相談が大切
相続が発生してから初めて問題に気づくケースも少なくありません。
特に、実家などの不動産が相続財産に含まれる場合には、売却までの時間にも注意が必要です。
事前に確認しておきたいことは、次のとおりです。
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相続人が誰になるのかを確認する。
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相続財産の内容を把握しておく。
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判断能力に不安のある方がいる場合、早めに専門家へ相談する。
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不動産の売却が必要かどうか、家族で話し合っておく。
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本人が十分な判断能力を持っているうちに、遺言書や任意後見契約などの準備を検討する。
また、不動産を売却する場合には、売却価格や売却の必要性についても確認が必要になります。
成年後見人が関わる取引では、その売却が本人の利益にかなっているかという視点が重要です。
ポイント:相続が発生してから慌てるのではなく、元気なうちから準備を進めることが大切です。
第8話|知っていれば損をしない。不動産の「なぜ?」
相続は、家族にとって大切な財産を引き継ぐ手続きです。
しかし、実際には、法律や税金だけでなく、家族関係や不動産の問題など、さまざまな課題があります。
特に、認知症の相続人がいる場合には、本人の権利を守りながら手続きを進めなければなりません。
私は不動産の仕事に長く携わってきましたが、不動産の相続や売却では、事前に少し知識があるだけで、対応の仕方が大きく変わることがあります。
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