食品ロスを考える(規格は消費者にとって必要)

【自由な発想】

日本人は規格に目が慣れてしまった

規格外の果物や野菜は、色や形、大きさなどが出荷基準に満たないため、一般的な市場では販売されることがなく、多くが廃棄されています。例えば、2022年には、日本で収穫されたみかんの約1割が、規格外として廃棄されました。これにより、生産者は栽培コストを回収できない経済的損失を被っており、食品ロスという大きな社会問題にもつながっています。

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一方、規格外の果物を活用する取り組みも広がりつつあります。例えば、ECサイトや直売所での販売、加工食品への利用、フードバンクへの寄付など、さまざまな方法で規格外の果物が流通に乗ることが増えています。これにより、廃棄されずに有効活用されるケースが増えており、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして注目されています。

しかし、この流れには課題もあります。規格外の果物や野菜は、正規品よりも安価で販売されるため、市場全体の価格を押し下げるリスクがあります。消費者が安い規格外品を選ぶことで、正規品の需要が低下し、生産者の収益がさらに減少するという悪循環が生じる可能性があります。この結果、農作物の品質が下がる恐れもあり、農業全体の持続性にも影響を及ぼしかねません。

さらに、規格外農作物の廃棄は環境面でも深刻な問題です。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」では、食品ロスの削減が重要な課題とされていますが、規格外品の大量廃棄はこの目標達成を妨げる要因となっています。食べられるにもかかわらず廃棄される農作物が多い現状は、環境への負荷を増大させていると言えます。

このような状況の中で、出荷基準や規格外の取り扱いについて、私たちは再考する必要があるのではないでしょうか。消費者や生産者にとって、そして環境保護の観点から見ても、規格外という基準は本当に必要なのか?もし基準を緩和したり見直すことで、廃棄や経済的損失を減らすことができるなら、その方が持続可能な社会の実現に近づけるかもしれません。規格外品の扱い方について、私たちは改めて議論し、より良い方法を模索すべき時期に来ているのではないでしょうか。

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