日本の「奨学金」という言葉はミスリーディング
実際、多くの日本の奨学金制度は「貸与型」、つまり返済義務のある学生ローンに近いものです。
一方で、欧米では「奨学金(scholarship, grant)」は、基本的に返済不要の給付型が主流です。
なぜ日本の奨学金は「借金」なのか?
日本の奨学金制度がこのような形になった背景には、いくつかの要因があります。
- 国の教育予算が少ない
- 欧米の多くの国は高等教育に多額の税金を投入し、学費免除や給付型奨学金を充実させています。
- 日本は教育予算の割合が低く、大学の学費も私立・国公立ともに高額。学生が自己負担を強いられます。
- 大学経営の安定のため
- 日本の奨学金は、日本学生支援機構(JASSO)や民間団体を通じて貸与されますが、これにより大学側は学生数を確保しやすくなり、安定した経営が可能になります。
- 結果として、学費を下げる努力が進みにくく、学生の負担が増える悪循環が生まれています。
- 学生ローンビジネスの一環
- 日本の貸与型奨学金には低金利(あるいは無利子)のものもありますが、結局は借金であり、卒業後に何百万円もの返済義務が生じます。
- さらに、返済できない場合には延滞利息が発生し、ブラックリスト入りすることも。
海外との比較:欧米の奨学金はどう違う?
アメリカ
- 返済不要の「奨学金(scholarship, grant)」は大学や政府、企業などが提供。成績優秀者や低所得層を対象に多くの無償支援がある。
- ただし、ローン制度(学資ローン)は日本以上に問題視されており、平均借金は400万円以上。
ドイツ・北欧
- 大学の学費がほぼ無料 or 極めて安いため、奨学金の必要性が低い。
- 給付型の奨学金(BAföGなど)もあり、生活費のサポートが手厚い。
イギリス
- 学費は高額(年間100万円以上)が、所得に応じた返済型の制度(給与が一定額以上にならないと返済不要)が整備されている。
日本の奨学金制度は変えるべき?
「奨学金」という名前を「学生ローン」に改めるべきという意見もありますし、給付型奨学金をもっと増やすべきという声も強まっています。
また、大学の経営を支えるために「学生に借金を負わせる構造」になっていることは問題です。大学側が無駄な経費を削減し、学費を下げる努力をしない限り、学生の負担は減らないでしょう。
日本の奨学金制度は、大学ではなく本来の目的である学生のための制度として再設計されるべきですね。
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