外国人の方を住まわせるための取り組みには、正直に言って「失敗した事例」がいくつもあります。
私自身に経験がなかったこと、そして当時は街の不動産会社側にも前例や理解がほとんどなかったことが、大きな要因でした。
中でも今でも忘れられない出来事があります。
それは今から約15年前、三軒茶屋での出来事です。
ある留学生のお部屋探しで、事前に
「留学生なのですが、ご相談に乗っていただけますか?」
と不動産会社に確認したところ、「大丈夫ですよ」との返答をいただきました。
鍵をお借りして内見へ。
時間にしてわずか15分ほどでしたが、お客様はその部屋を大変気に入り、ぜひ申し込みたいという意思を示されました。
鍵を返却し、不動産会社へ
「申し込みをお願いします」
と伝えたところ、返ってきた言葉はまさかの一言でした。
「ダメになりました。」
理由の説明も、事前の相談も一切ありません。
あまりに唐突な対応に、「それはないでしょう。事前に相談もなくダメになるのはおかしいのでは」と食い下がりました。
すると不動産会社から返ってきたのは、さらに信じ難い言葉でした。
「親御さんから口座に500万円送金されたら、相談には応じます。」
この対応には強い憤りを感じましたが、それでもお客様が「どうしても住みたい」と強く希望されたため、なんと数時間後親御さんから500万円が送金されました。
身なりや立ち居振る舞いからも、裕福なご家庭の学生だと感じていましたが、通帳を確認すると残高は1,000万円以上。
それでもなお、不動産会社は首をかしげ、「それでもちょっと……」と言い出す始末でした。
ここで私の堪忍袋の緒は切れました。
「いい加減にしてください。ふざけないでください。」
感情的になり、喧嘩寸前の状態になってしまいました。
一方、日本語が十分に理解できないお客様は、この一連の流れを
「私(仲介者)に力がないから話が進まないのだ」
と受け取ってしまったようです。
その翌日から、お客様からの連絡は途絶えました。
仕方がないこととはいえ、今でも非常に悔しい思い出として残っています。
そして力になれなかったことを悔やんでいます。
現在、その不動産会社はすでに存在していません。
しかしこの経験は、
「外国人を受け入れる」ということが、当事者だけでなく、不動産業界全体の理解と覚悟を必要とする問題である
ということを、私に強く突きつけました。
この失敗があったからこそ、
私は「外国人だから」「前例がないから」で切り捨てない住まい探しを、本気で考えるようになったのです。
外国人就労者・高齢者の住まい確保・定着支援|企業相談室
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